白10といきなり打ち込んだ気合に対して、張名人は黒11とさらに
気合で応じました。すごい迫力で、この後超難解な変化が続きます。
☆その2 第53期王座戦五番勝負第一局
先番 張 栩 王座
山下敬吾 天元
2005.10.28 東京都目黒区「ウェスティンホテル東京」
持時間各5時間 コミ6目半
どちらかというと黒有利という評判の中盤でしたが、黒77と三々に
打ち込んだ石を捨石に黒85、87とキリを入れ、黒89から戦線を
拡大し、一気に勝負を決しに行きました。安易な道を選ばない厳しさです。
左辺の戦いがすごい迫力ですが、白32はちょっと強情でしょうか。
黒51のワリコミ一発でモチコミになってしまい勝負は決しました。
この後、黒が手堅くリードを守って中押勝ちしました。タイトル戦
をふたつ落とした後ですが、久々に山下さんの強さを感じました。
十段戦の第1局は趙治勲先生得意の「かかとでしのぐ」碁を見せて
いただきました。過去の対戦成績は山下先生の圧倒的な連勝続きだった
そうですが、タイトル戦では初対戦。どんな1局になるか楽しみでした。
下図、白68と堂々と地をかせいで、上辺の白のしのぎ勝負となりました。
白56から荒らしに行ったあたりでは、黒有利の評判でしたが、いつの
間にか黒地が足りなくなり、山下先生は猛然と攻撃しますが、
しのぎの趙先生の真価発揮というところでしょうか...
記憶に残る一局でした。
***詰碁研究***
詰碁問題へ
☆その1 手筋と急所の2連発!!
注;黒1で黒3だと、白はA4(黒1のところ)にポン抜いて劫になります。
☆その2 以外と簡単な盲点を発見!!
☆その3 見事なダメ詰まり(日本棋院「幽玄の間」詰碁より)
注;白はダメ詰まりで隅カドの一眼ができません。
***布石研究***
☆その1 大ゲイマガカリからの攻防
この布石はよくできます。皆さんなら、この後の黒、どういう打ち方をしますでしょうか?
☆【私の悩み(下図)】白20と飛ぶと黒21とノゾかれます。白24は消極的でしょうか?
この図では黒不満ありません。白24ではどう打つべきか、いまだによくわかりません。
白24でハサめないのであれば、白20では黒21の点にカケツグべきでしょうか?
これが私の未解決の悩みです。